つうかあ
朱に交われば赤くなる
という言葉がある
人は交友関係に影響される
友を選びなさい
ということだろう
増してや50年以上も一緒に
暮らしているのだから
相互に影響されるのは当然だろう
我々はお互いの色に
染まったろうか
相当に染まった
とも言えるし
それほどでもない
とも言えるだろう
どう思いますか
もともと我々は
白と黒、赤と白
のように、くっきりと
色分けされていたとは
言えないだろう
人間が一緒に暮らしてゆく上で
毎日の繰り返しの
基本的な部分が、白と黒、赤と白
に異なっていると
とても辛いことになるだろう
その点でいえば、我々は恵まれていた
揃って京都で育ち
京風を身に着けていた
だからお雑煮と言えば
白みそ丸餅が当たり前
京都弁で語り、京都人として
物事を考えた
千年以上の歴史を重ねた
風土の蓄積は並大抵のものではなく
我々の身に染みこんでいる
出発時の基本がそうだから
毎日の繰り返しは
ごく自然に、当たり前に
それほど悩んだり、困ったことなく
進行していったのではないか
その基盤の上に築いてきた
日々の生活が
現在に続いている
今となっては、どちらがどうして
どのように収まってきたのか
どういういきさつで
こういうことになっているのか
突き止めることも
出来ないし、しようとも思わない
それでも結構うまく行っている
つうと言えばかあ
という言葉があるが
まあそれに近い
つうかあの仲になったか
なりつつあるか
とは言え
一心同体という訳でもない
菊枝は菊枝
正雄は正雄
の世界に生きている
もっともこの点に関しては
菊枝が賢かった
ことを思わずには
居られない
何度か聞いた
「私は金魚鉢から出ようとは思わなかった」
自由に泳ぐのは金魚鉢の中だけ
外海に出ればもっと遠くまで
行けたろうがそうはしなかった
これは意義深い挿話だ
孫悟空が
世界の果てまで飛んで行って
地の果ての五本柱にサインをして
戻ってきて自慢したら
お釈迦様が手をお見せになった
お釈迦様の手の指に
孫悟空のサインがあった
お釈迦様の庇護を
外れれば何が起こるか
それを菊枝は見通していたんだなあ
という訳で
お互いの色に染まりつつも
お互いの世界は尊重し
お互いの事情に歩調も合わせつつ
これからも歩んで行こう
2019.8.25
玉手箱